プス、プス…!!
「茶々丸、大丈夫か!?」
「ハ、ハハイイイ心配ハイリリマセンン…」
ボフッ!!
「茶々丸、何か変な音がするぞ!?」
「ダダダ大丈夫デススカラ」
「エヴァンジェリンさん、離れてください!このままだと修理が出来ません!!」
「し、しかし…!! いや、分かった」
「マ、ママスター…」
茶々丸が心配そうな目でエヴァを見つめた。
「馬鹿者、心配なのはそっちだと言うのに…」
エヴァはそんな茶々丸の状態にとても不安を感じていた。
本人も何故こんな不安を感じているのか分からなかった。
茶々丸と初めて出会った時、私は茶々丸を警戒していた。
『平凡そうな顔をしやがって…』この時私は苛立っていた。
でも茶々丸は私に付きまとってくる。授業でも何でも。私は突き放してやろうとこう言い放った。
「"私は吸血鬼-ヴァンパイア-だ"」
そんな事を言ってみると茶々丸は…
"はあ。"
ん?何だ、コイツは?普通は"冗談だと思って笑う"か"真面目に驚く"のどちらかだろう?
『はあ』って何だ『はあ』って!! 私がツッコミをしたのはアイツ以来だな…
それから何回も突き放してみたが全然反応しない。というか読んでいる?
「茶々丸、お前私が怖くないのか?」
聞いてしまった。どうしても気になった。
「いえ、怖くありませんエヴァンジェリン・アタナシア・キティ・マクダウェルさん」
…なぜフルネーム?今まで気づかなかったが。
でも、そんな茶々丸に次第に私はひかれていった…
「馬鹿者、私の事はマスターと呼べ」
「はい、マスター」
あっさりした奴だ。でもそんなコイツの性格は嫌いになれなかった。
今思えば私はいつも助けられている気がする。葉加瀬に…茶々丸。それにアイツ…ナギ・スプリングフィールド。
変な気持ちが…一気にこみ上げてきた。
茶々丸…、治ってくれ…!!
《ウィーン…》
葉加瀬の研究室のドアが開いた。
「ハカセ!茶々丸は…」
「…大丈夫です、無事治りました」
「…あ、あり、が…」
「師匠ーっ!!」
後ろから声が聞こえた。聞き覚えのある高く、幼い声だ。
「…ふん、ぼーやか。どうした?」
葉加瀬への感謝は何処へ行ったのやらエヴァはいつものツンツンを取り戻した。
「茶々丸さんが大変だって聞いて来たんですが…」
「手術は成功しましたよ、ネギ先生。」
それを聞くとぼーやはホッとしたように肩の力を抜いた。
「ただ充電のため三日は学校を欠席しますがいいですか、先生?」
「はい、分かりました!」
「ついでだ、私も休む」
「な、何で師匠も休むんですか?」
エヴァはため息をついてネギのでこを指ではじき、こういった。
「当たり前だ、私は茶々丸のマスターだからな。」