「ヴェイグさんのバカ!!」
「なんだと…!」

次の街へ向かう途中、突如ヴェイグとアニーの間で喧嘩が始まった。

「えっ、ど、どうしたの二人とも!?」
「知るか!」
「そっちがです!」

あまりにも突然の事態にメンバーも何のことか全く分からず二人を見ていた。

「もー、どうしたんだよヴェイグとアニー!」
「ヴェイグさんが悪いんだもん」
「なんだと!?元はといえばお前の服装が…!!」

服装?
マオは今のやりとりで一番気になった点を聞いてみる。

「あ、えーっと…服装って何のこと?」
「桃色の服装だぞ!?まぎらわしいと思えないのか!!」
「何とだよ!!」
「それは…それはだな…」モジモジ
何ちょっと気持ち悪くモジモジしてるんですか!!

口に出すのをためらうということは恥ずかしいようなことなのだろうか。
少し気が引けたマオだったがそこは男。頑張って問い詰める。

「何がまぎらわしいのか言ってごらんヨ」
「…ピーチグミ」
「は?」
アニーの服の色がピーチグミと被ってしかたないんだ!!

「「「……え?」」」

「聞き取れなかったのか!?じゃぁもう一度言う!///」
「言わないで!!お願いだからそんなのもう言わないでヨ!!」

確かにアニーの服は桃色でピーチグミも名前の通り桃色をしている。
だが、そこがどうだというのか。
ところでヴェイグは本当に人間なのだろうか。そこも大いに疑問に残った。

「で、でもヴェイグ。戦闘に集中してたらそんなこと思わないんじゃない?」
「集中してるからこそだ。それっぽい色を見つけたらそれだと思っちゃうだろ
「何正論っぽく言ってるの!?200%ヴェイグが悪いヨ!?」
「だからって肩に噛み付くってどういうことですか!!」
「そこにピーチグミがあったから」キリッ
「そこに山があったから」的な言い回しやめて下さい」
「でもここは直しとかないと誤ってセクハラしかねないよネ…」

マオの言った通り、本人にその気がなくても大変なことになりかねない。
それだけは阻止したかった。なんというか、ヴェイグの名誉のために。

「何だ…俺が悪いというのか!」
「悪いからね?お願いだからそれぐらい気づいて?」
「じゃぁもういい…俺一人でアガーテを探す」
「えェェ!?ちょ、えェェェ!?昨日のティトレイと殴り合いイベントが儚いものになっちゃうヨ!!
「フォルス暴走止められて殴られまくりじゃああもなるわね…」

ヒルダの余計な茶々入れに『余計な事言うな』とヒルダを睨みつけたマオはこのままでは話が進まないと感じ
とりあえずヴェイグを木に縛りつけどうするのか考えることにした。

「おい、これはどういうことだ」
「すまんヴェイグ、仕方なかったんだ」
「俺だってこんなこたぁしたくねーよ。でもよ…昨日の俺の殴り合いイベントがさ…」
「未プレイ者に分からない設定をガンガン言うのをやめろ!!」

ユージーンとティトレイの男二人がヴェイグを押さえつけている間に対策を練る事にした。

「アニー、思い切って衣装チェンジしたら?」
「お父さんに選んでもらった服なんです…だから身に着けてたいの」
「う〜ん…じゃぁしょうがないな…上になんかかけたらいいんじゃない?違う色のとか」
「あんまり黄色っぽいのつけたら今度は「クレアァァァァァ!!」って飛びついてくるわよ」
「もうヴェイグ変態キャラになってるじゃんそれ!!」
「というかヒルダさん今のモノマネお上手ですね」
「燃やすわよ」

難しすぎる条件下の中、二人の意見は交差して行く。と、その時身動きの取れないヴェイグが口を開いた。

「…すまない、アニー」
「え…っ」
「俺がピーチグミばかりに気を取られていたから…ユージーンが
「ヴェイグさん…」
「昨日のティトレイを見てても分かった。少しずつ俺自身を変えていこうと思う」

そう言って俯くヴェイグの姿を見たアニーはため息を付き、ヴェイグのもとへ向かい優しく微笑みかけた。

「私もわがままが過ぎたのでおあいこです。ね?」
「…ああ」
「これからお互いに変えて行きましょう?」

そういうと二人は夕日を見つめ、笑い合った…

…え、ユージーン死んでないよネ?

一人突っ込むマオを残して。



+あとがき+
2009年に書いた物なので完成度の低さが特に露呈されています。
リバースのキャラはなにげに個性派揃いなので色々書きたいのですがヴェイアニは難しい。
ヴェイグが明らかに主人公ポジションじゃないのが笑えてきます。