すこやかな朝。凄く明るい太陽が山から昇り、鳥の声も聞こえる。

「ふぁああ…、朝か」

そんな朝、とがった耳と金髪が印象的な青年が目覚める。青年は台に置いていた帽子を被り、
布団の横にある剣を持ちまだ朝が早いながらも外へと出かけた。剣術の修行である。

「おや、もう先客が居ましたか。」
「あ、お早うリンク!」

金髪の青年の名はリンク。ハイラルという街の青年である。
一方、先に修行に来ていたのはロイ。騎士見習いである。

「やっぱりロイは朝早いですねぇ。さすがにかないませんよ」
「いやー、マルス先輩なんか俺の二時間前にはおきてたよ」
「に、二時間前!?」

リンクは持ってきた時計を見る。時間は5時を指している。
いつもロイは自分よりも30分ほど早く来る。そのロイの二時間前…リンクは目が回りそうだった。

「ふはー…さすがですね…。」
「夜寝るのも早いからなぁ…先輩は」

こんな他愛ない会話を続けつつも、二人はランニングを始めた。

そしてそれの二時間ほど後…


「う〜ん…」

リンクたちの隣の部屋はピカチュウたちポケモンの部屋とされている。
そのポケモンの部屋、ピカチュウの弟のピチューが目を覚ました。

「いつもより早く起きちゃった…」

普段のピチューはメンバーのねぼすけ担当。
起きてくる時間はドンキーと並びワースト1だが今日は違った。

「よーし…、しめしめ…」

ピチューは部屋の中であるものを発見するとそれを持って部屋の外へ飛び出していった。

「(…アイツ、何を持っていったんだ…?)」

ピチューの様子を窓の外でめいそうをしていたミュウツーが見ていた。


「さて、朝の稽古も終了ですし部屋に戻りましょうか。」
「…だな、っつーかマルス先輩はいつ帰ってくるんだ…?」

リンクとロイは朝の食事の支度をするため台所へ向かった。
その途中…

「おや、あれは…ピチュー?こんな朝早くに」
「本当だ、おかしい事もあるもんだな。おーいっ、ピチュー!何処に行くんだー?」
「! あ、リ、リンク…ロイ…。…ちょっと女子会に
いや絶対嘘だろ!!
「ちょっと。後ろに隠したもの、見せなさい」

リンクはピチューが体の後ろに物を隠した行為を見逃さなかった。

「それってこの前やったプリンの誕生日会で俺がプリンにプレゼントしたリボンじゃねーか。」
「イタズラが過ぎますよピチュー。戻して来なさい」
「で、でもプリンいっつも寝相悪いし…」
「戻して来なさい?」ゴゴゴゴゴゴ
「ーーーーーーー!!!」

リンクの言葉にできないオーラを目の当たりにしたピチューは声も出せず、一目散に逃げていった。

「さ、さすがリンク…。丁寧語が丁寧語になってねえ」
「台所に向かいましょうか♪」

この男、腹ではどんなブラックホールが広がっているんだろうと思ったロイだったが
無駄なことと悟るとリンクと部屋へ戻っていったのだった。


「ふあぁ…。リンク、ロイ。お早う」
「あ、お早う御座います。ピーチ、ゼルダ姫。サムス」
「あー、相変わらず早いわねぇ。あのヒゲ兄弟とは偉い違いだわ」

そういうとピーチはあくびを一つし、洗面所へ向かった。

「そうだリンク、確か塩とたまごが切れてたぜ」
「あ、そういえばそうでしたね。後でファルコンに買いに行ってもらいましょう」
「だな。F-ZEROのマシンって早ェからついつい頼っちまうな」
「あれは便利ですねぇ。何か特殊な免許でもあるのでしょうか?」

会話をしつつもリンクは調理、ロイはテーブルの設置などをちゃくちゃくと進めていった。
準備を整えると同時に次々と男性陣が起きてきた。

「うぃーっすリンク。お、いい匂い」
「おはようございます、マリオ、ルイージ。そうだ、今日ちょっと山へ行ってキノコ採取お願いしていいですか」
「ん、今日は暇だし別にいいぜ。な、ルイージ」
「あ、うん。分かった」

そういうと各々の席に座り「いただきます」の言葉と共に食事を始めた。
次に現れたのは世にも不思議な桃色の球体と緑色の恐竜。ドドドドと足音を立てながら全力疾走で現れた。

「うあーー!コーンポタージュの匂いだあぁーーーーーーーー」
「コーンポタージューーーーーーーー!!」
「朝っぱらからうっせーな…カービィにヨッシーは…」
「あ、フォックスもおはようございます」
「あの二匹は毎日そうだから仕方ねぇよ。」
「ファルコの奴、スターフォックスに遠征にいっちまったぜ」

メンバーはカービィとヨッシーの行動はもう特に気にしてはいなかった。

「こんな早い時間から?任務ってのも大変だな。飯余るんじゃないか?」
「カービィとヨッシーがいるから大丈夫でしょう」

リンクの発言にメンバー全員が同時にうなずいた。
そして他のメンバー(ドンキー除く)もおきてきて、無事食事は終わった。

「ふー、マリオとルイージは無事出発したようですね」
「ああ。なぜかゲーム&ウォッチとかポケモン組もいったけど」
「まぁ山で遊んできてくれるのならそれはそれで色々こっちも楽ですけど」

そういうとリンクは2階の階段を登り始めた。

「ちょっとドンキーを起こしてきますね」
「了解。床を抜かすのだけは勘弁な」

リンクを見送ったロイは自分の部屋へと戻り、ひと仕事終えた休憩を兼ねて布団に潜り込んだ。

「昼の鍛錬まで休憩……zzzzz…」


一方、こちらはマリオサイド。

「ふー…山登りなんか久しぶりだなぁ…」
「おーいルイージ、早くしないと置いていくぜ。体鈍ったんじゃねーか?」
「兄さんはたくさん冒険してるから良いけど僕なんてマ○ションぐらいで…」

ルイージの負の連鎖のスイッチが入った。

「お、おいおい元気出せよ。この小説書いてる頃にはマ○ション2が出てるよきっと」
「でもWii Uの初陣はやっぱり兄さんが主役なんだろ?」
気にしいかお前は!!

そんな兄弟のやりとりをミュウツーとゲーム&ウォッチが見ていた。

「ヤッパリ兄弟、ダナ。アノ二人ハ」
「…ああ。」
「ピカチュウ兄ちゃーん、プリーン!早くしないと置いてくよーーーー!」
「う、うん。早く行くよ。プリンー」
「駄目よピカチュウ…あたしあんなに早く走れない…。」
「馬鹿!!」パシィン!!

ピカチュウはへたるプリンの頬を力強く叩いた。

「こんなところで諦めたって何も得られない!どうせなら…頑張ってみようよ!」
「ぴ、ピカチュウ先輩…!分かりました、先輩、あたし頑張ります!!」
誰が先輩よ!!」バシィィ!!
「えェェェェェェ!?」

「アッチハアッチデどらまノ見過ギダ…」
「…だな。」

と、こんな調子で進んでいったマリオたちだった。

「…みゅうつー」
「何だ」

ゲーム&ウォッチとミュウツーは見晴らしのいいところに座り話をしていた。
この二人はあまり必要以上のことは口に出さず、メンバーとは一歩距離を置く面があった。

「私ハ、コノすまぶらノめんばーニナッテ変ワッタンダロウカ」
「…さぁな。だが少なくとも前までのお前はこんなこと相談しなかったと思うが」
「…まりおヤるいーじ達ヲ見テイルト何カ嬉シイ感ジガスルンダ。ソウ思ワナイカ?」
「そうだな…、あの二人は兄弟という関係が似合いすぎている」

そういうと二人は空を見上げた。直視するのが憚れる程の晴天。

「…イツカ私モあいつラノヨウニ…笑エルヨウニナレバイイナ…」
「ああ。まったくだ…」

『しかし、それはゲームの構造上無理じゃないか?』
ミュウツーは人生初のツッコミを試みようと思ったが虚しくなったのでやめることにした。



+あとがき+
スマブラのメンバーにはこういった日常を過ごしてほしいなあと思います。
ミュウツーって絶対メンバーで浮いてるよね。ガノンドロフ辺りは馴染んでそうだけど。